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トップ企画展平成23年度(2011.4.1ー2012.3.31)> 小川芋銭展 ―震災後の眼で、いま―

小川芋銭展 ―震災後の眼で、いま―

2012年3月17日(土)~5月20日(日)

小川芋銭チラシB表

小川芋銭チラシA中面

小川芋銭は慶応4(1868)年江戸に生まれ、昭和13(1938)年に生涯を閉じるまで茨城県の牛久を拠点に生涯をすごした画家です。はじめ洋画塾で画業を修め、前半生には挿絵画家としてジャーナリズムで活躍しました。その後、老荘思想、書や俳句といった東洋文化についての幅広い教養をふまえた作品や、水郷の田園風景や旅先で眼にした自然などを主題とした作品、そして郷里に伝わる河童や水魅山妖などの精霊を主題とした作品などを描き、院展で独自の画風を築きました。

それらの主題は個別に展開されていったのではなく、風景画の中に精霊が現れたり、田園風景に桃源郷が重ね合わされるなど互いに混じり合うことも多く、そうした作品からは近代化により徐々に自然が失われていく中で、芋銭が人間と自然との関係について独自の思想を持ち続けていたことを窺わせます。特に、河童や水魅山妖など、科学的なものの見方を広めようとする近代文化の中で、その存在を否定されつつあったものたちを好んで描いたのは、人間の理解を超える存在や、人間の力の及ばない現象を慈しみ尊重しようとした芋銭の自然観の現れともいえるでしょう。

芋銭の没後、私たちの生活はますます自然から離れる方向へと進んできました。しかし大震災後の一年間は、多くの人々が自然と人間との関係について再考した期間でした。その時期に、芋銭の作品を鑑賞することで、芋銭という一人の芸術家を知るだけでなく、その作品を通して自然と人間との関係について改めて思いを巡らす機会となることを願い企画しました。

茨城県近代美術館としては初めての小川芋銭展となり愛知県美術館の木村定三コレクションと茨城県近代美術館の芋銭作品という二大コレクションを中心に芋銭の代表的な作品を一堂に集め、その芸術の軌跡をたどりました。

なお本展は茨城県ミュージアム活性化支援事業実行委員会の支援を受け、仮設ケースやディスプレイ品、館外のフラッグ等の製作が実現し、過去の芋銭展よりも多数の延べ183点という作品を展示する大規模な回顧展となりました。

会場風景

  • 芋銭展会場写真4
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小川芋銭展 ―震災後の眼で、いま―

会期 2012年3月17日(土)~5月20日(日)
前期:3月17日(土)~4月15日(日)
後期:4月17日(火)~5月20日(日)
※震災による展示室復旧工事のため2月18日(土)から予定していた会期を変更して開催
会場 茨城県近代美術館
入場料

一般 950(830)円/高大生 700(580)円/小中生 350(230)円

※( )内は 20 名以上の団体料金

※満 70 歳以上の方、障がい者手帳等をご持参の方は無料

※春休み期間を除く毎週土曜日は高校生以下無料

※前期入場券をお持ちになった方は、団体割引料金

開館時間 午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)
休館日

4月2日、9日、16日、23日、5月7日、14日【水戸の梅祭り期間及びゴールデンウィーク中は無休】

主催 茨城県近代美術館/読売新聞/美術館連絡協議会
特別協力 愛知県美術館
協賛 常陽銀行/ライオン/清水建設/大日本印刷/損保ジャパン
協力 朝日新聞水戸総局/茨城県ミュージアム活性化支援事業実行委員会
後援 NHK水戸放送局/株式会社茨城放送
 

掲載日 令和6年1月10日