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トップ企画展平成24年度(2012.4.1ー2013.3.31)> 二年後。自然と芸術、そしてレクイエム

二年後。自然と芸術、そしてレクイエム

2013年2月5日(火)~3月20日(水・祝)

  • レクイエム_チラシ表
  • レクイエム_チラシ裏

本展開催の二年前、私たちは大地震と大津波という想定を超えた現実によって、安心の拠り所であった「大地」が一瞬にして水底に変わってしまう光景を目の当たりにしました。あの日私たちは、それまでは遠いところにあり、観念でしかなかった「自然」を肌で感じ、自然そのものに遭遇したのでした。あの時、私たちは「自然」との境界、すなわち「間(あいだ)」をすべて失い、遠近法による世界が崩壊する恐怖の中にあったといえます。

むきだしの自然に遭遇しながらも、たまたま難を逃れ生還した私たちは、あの時期、新たに世界を回復する力となる、とても近い存在を感じてはいなかったでしょうか。「震災後」というよりも、いつ、また次の震災が起きるかもしれぬ「災間」に在る私たちは、東日本大震災で犠牲となられた多くの方たちを忘却することなく、私たちの記憶の中で生きる死者たちと共に在ろうとすることによって生かされている、というべきかもしれません。

死者と生者、彼岸と此岸がかさなる世界、それは不自然なものかもしれません。しかし、その「不自然」こそが、死者を想う人間が自然とのあいだに生み出してきた芸術のはじまりといえるのではないでしょうか。震災から二年がたとうとしていた時、死者の存在こそが芸術が失いかけたそもそもの意味を新たにするものと考え、ささやかなレクイエム展を開催することとなりました。

また本展では、自然と人間の関わり、そして人間が自然に対して行う「不自然」としての芸術について考察し、「二年後」に向き合うと同時に、「間」の回復あるいは新たな「間」を探る機会となることを願い、東日本大震災だけではなく、関東大震災や阪神淡路大震災など過去の震災に関わる作品もあわせて展示しました。

本展の図録は、株式会社常陽銀行の協賛により、県内小中高等学校へ配布しました。また本展は全国美術館会議による東日本大震災救済・支援活動からの助成を受けて作品展示、ディスプレイ・広報物製作、コンサート、映画上映等を行いました。この助成には同会を通じた寄付による助成も含まれており、被災された方々が一日も早く、日々を回復されることを祈る展覧会となりました。

会場風景

  • フランス万華鏡会場風景
  • フランス万華鏡会場風景
     

  • フランス万華鏡会場風景

  • フランス万華鏡会場風景

  • フランス万華鏡会場風景

  • フランス万華鏡会場風景
     

  • フランス万華鏡会場風景

  • フランス万華鏡会場風景

  • フランス万華鏡会場風景

二年後。自然と芸術、そしてレクイエム

会期 2013年2月5日(火)~3月20日(水・祝)
会場 茨城県近代美術館
入場料

一般 950(830)円/高大生 700(580)円/小中生 350(230)円

※( )内は 20 名以上の団体料金

※満 70 歳以上の方、障がい者手帳等をご持参の方は無料

※毎週土曜日は高校生以下無料

開館時間 午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)
休館日

2月12日(火)、18日(月)のみ休館 ※水戸の梅まつり期間中無休

主催 茨城県近代美術館
助成 全国美術館会議
協賛 常陽銀行
後援 朝日新聞社水戸総局/茨城新聞社/NHK水戸放送局
協力 茨城県ユニセフ協会
 

掲載日 令和6年1月10日