2014年5月17日(土)～7月18日(金)

中原淳一は戦前から戦後にかけて編集者、イラストレーター、ファッションデザイナーとして活躍し、多くの人がおしゃれとは無縁の生活を強いられた時代に、自宅で作れるかわいい洋服や、自分で結える髪型などを雑誌で提案し、瞬く間に少女達の人気を博しました。

戦前は雑誌『少女の友』の挿絵や表紙絵を描き、戦後は雑誌『それいゆ』『ひまわり』などを創刊。ものを大切にし、生活の中で様々な工夫をすることから美しい暮らしが生まれることを説き、誰もが実践できる楽しいアイディアを提案しました。少女の時代を大切に過ごし、内面から美しくあってほしいという思いにあふれたアイディアの数々は、中原の雑誌を当時読んでいた人にとって懐かしいだけでなく、節約を楽しみながらシンプルに暮らすことが見直されている今の日本のライフスタイルにも通じています。

中原の生誕100周年を記念して開催された本展は、単にその業績を年代順に辿るのではなく、各雑誌の表紙原画やスタイル画等をファッション、インテリアなどテーマ別に紹介し、どんな状況でも「美しく生きること」の大切さを人々に伝えようとした中原のメッセージと軌跡を浮き彫りにする回顧展となりました。

会場風景