2015年11月21日(土)～2016年1月17日(日)

近年、GDP(国内総生産)といった経済的な尺度に替わる新しい物差しとして「幸福度」「GNH(国民総幸福量)」が注目を集め、それらを測る科学的な学問として「幸福学」が脚光を浴びています。「幸福度」は所得などの経済的要素だけではなく、家族や社会との関わり合いといった様々な要素で構成されており、「幸せはどこにある？」という問いは、高度に成熟した社会に生きる我々の多様な価値観を浮かび上がらせることになるでしょう。

本展は、当館の所蔵品約3,700点のなかから選りすぐりの作品を新たな視点で発掘するテーマ展「I蔵品(あいぞうひん)展」の第一弾です。「幸福」をテーマに「コミュニティ(共同体)」･「しごと」･「逆境」･「ユートピア(理想郷)」の4つのキーワードによって、美術作品にあらわされた様々な「幸福」のかたちを紹介しました。中村彝や辻永、横山大観、永瀬義郎ら県ゆかりの作家、またドーミエなどコレクションの大きな部分を占める作家の作品を常設展とは異なる角度から光を当てる一方、これまで展示機会の少なかった地元作家の出品を活用し、リピーターにも当館のコレクションをより深く知っていただく機会となりました。来場者からは「知らない作家の作品も興味を持てた」等、様々な反響が寄せられました。

会場風景