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トップ企画展令和8年度(2026.4.1ー2027.3.31)> 中西夏之 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置

中西夏之 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置

2026年11月12日(木)~2027年1月17日(日)

ロゴ1

戦後日本を代表する画家・中西夏之(1935-2016)の、没後初の回顧展を開催します。中西は東京藝術大学絵画科を卒業後、先鋭的な絵画やオブジェで注目されたのち、高松次郎や赤瀬川原平とともに前衛美術家集団「ハイレッド・センター」を結成し、東京の街中で実験的なパフォーマンスを繰り広げました。その後、舞踏家・土方巽らとの協働を経て、1960年代後半から絵画制作を再開します。「芸術」そのものを問い直した上でたどりついた、画家と絵画の存在する場所についての深い思考に基づき、長い柄の筆で描く独自の手法で、紫や黄緑を基調とする数々の連作を生み出しました。それらは、中西が絵画のありようについて記した言葉「緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」が示唆するとおり、作品と向き合う豊かな時間に浸るよう鑑賞者を誘います。本展では、約75点の絵画やオブジェと、ドローイング、写真などの多彩な資料、さらに茨城・六角堂をモチーフとするインスタレーション《着陸と着水 XIV 五浦海岸》(2013)の“再生”により、中西の半世紀におよぶ創作の軌跡を振り返ります。

見どころ

1    作家没後初の本格的回顧展。作品約75点、資料200点超が集結。

学生時代の作品《天の岩戸》(初公開)から、各地の美術館やコレクターが所蔵する大型連作までを網羅し、戦後日本美術を代表する画家の全貌に迫ります。

2    アヴァンギャルド芸術家としての活動を紹介。

1960年代に高松次郎や赤瀬川原平と結成した前衛美術家集団「ハイレッド・センター」による、芸術と日常の境界を揺さぶるような伝説的パフォーマンスの写真や資料を紹介。また、洗濯バサミという身近な素材を大量に使い、「日本の現代アート100選」にも選定された《洗濯バサミは攪拌行動を主張する》(1963/一部 c. 1081 再制作)など初期の代表作も展示。さらに、国際的知名度を誇る土方巽や山海塾らの舞踏において、中西が舞踏家たちを触発した舞台美術の資料は必見です。

  • p3-MuraiTokuji_1962_yamanotesenfestival_10(896)

    「山手線のフェスティバル」
    ドキュメンタリー写真
    1962年

    撮影:村井督侍
    写真提供:東京ステーションギャラリー

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3    絵画の発生をめぐる、半世紀超の静かなる冒険。

「絵はどのように生まれるのか、絵はどこに存在するのか―」。絵画の発生をめぐる問いと、絵画および画家の存在する「場所」についての深い思考に基づき、長い柄の筆で描かれた絵画の数々。紫や黄緑を基調とした、緊張感と緩やかさを併せもつ連作は、作品と向き合う豊かな時間に浸るよう鑑賞者を誘います。

  • 08 山梨県大月市のアトリエで制作する中西夏之 2002 

    山梨県大月市のアトリエで制作する中西夏之
    2002年

    撮影:石川裕修
    写真提供:愛知県美術館

4    東日本大震災を契機とするインスタレーション大作、茨城会場のみ出品。

本展では中西が手がけたインスタレーション〈着陸と着水〉シリーズのうち、茨城ゆかりの《着陸と着水 XIV 五浦海岸》(2013)を再制作・展示します。1905年に岡倉天心が建立し、東日本大震災で流失した六角堂(北茨城市、2012年再建)をモチーフとする本作は、茨城会場のみの出品です。

  • p3-着陸と着水 XIV 五浦海岸-1

    《着陸と着水 XIV 五浦海岸》
    2013年
    撮影:齋藤さだむ

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5    作家のアトリエや制作風景をとらえた写真で、創作の現場を体感。

アートフォーラム・コーナー(当館1階。入場無料)では、長年中西の制作助手をつとめつつ記録撮影も手がけた後藤充氏による初公開を多数含む写真のスライドショーを展示。7,000点を超えるフィルムとデジタル写真から厳選した約400枚の写真により、中西の人となりに触れ、創作環境を体感することができます。

展覧会の構成

第1章    生体と物質の錬金術

中西は東京藝術大学絵画科在学中から前衛的な作品で注目されましたが、いわゆる「反芸術」の潮流の中で絵画制作を一時中断します。日用品を素材に用いたオブジェなどを発表するとともに、高松次郎、赤瀬川原平と結成した「ハイレッド・センター」の活動や、舞踏家・土方巽との協働を通じて、表現の幅を拡張しました。本章では、立体、パフォーマンス、舞台美術といった中西のジャンル横断的実践が、後の絵画へと結実する過程をたどります。

  • 02 cat.6_コンパクト・オブジェ(撮影:福永一夫)_国立国際美術館
    《コンパクト・オブジェ》
    1962年
    国立国際美術館蔵
    撮影:福永一夫
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第2章    絵のある場所と絵の形

1960年代後半、中西は画家として再出発しつつ、肉体や空間に対する思索を通じて独自の絵画観を育みました。抵抗したくとも出来ない大きな川の流れに芸術をたとえ、絵画という存在の歴史的必然性を意識したという中西は、「絵」そのものを問い直します。絵はどこにあるのか、絵画の本源的な形式とは何なのか―。中西は、人体のフォルムと幾何学形態、時には金属など物質性の強い素材を併用しながら、絵画の在り方を探究し、観る者の解釈を揺さぶる作品群を次々と発表しました。

  • 03 cat.19_山頂の石蹴りNo.3_セゾン現代美術館
    《山頂の石蹴りNo.3》
    1970年
    セゾン現代美術館蔵
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第3章    無限遠点からの弧線

1970年代後半以降、中西の絵画は転機を迎えます。画面上に竹弓を取り付けた連作では、弓に、宇宙のはるか彼方の点(無限遠点)を中心とする想像上の円弧を象徴させ、その巨大円の縁に絵も画家も位置している、という世界観を可視化。絵と描き手の場所を探りつつ、宙吊りの揺れる画布に、長い柄の筆で遠隔操作するように描く作画を試みました。(※見どころ3写真参照)

弓形から派生した楕円形と白を基調とする連作を経て、80年代以降、ℓ字型のモチーフや紫色を用いたシリーズ、黄緑色が印象的な絵画群などが生み出されます。

  • p4-cat.44_作品―たとえば波打ち際にて XII_セゾン現代美術館
    《作品―たとえば波打ち際にて XII》
    1985年
    セゾン現代美術館蔵
  • 05 cat.52_中央の速い白 XIII_千葉市美術館
    《中央の速い白 XIII》1990年
    千葉市美術館蔵
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第4章    想像的地表にあふれる光

中西はシリーズごとに油彩やドローイングの制作を重ねながら、「絵は現実世界と絵画世界とにまたがる存在」であり、現実の地面に重なるように存在する想像上の地表を前提として成立するのだ、という独特な絵画観を追究しました。同時に、90年代半ばに始めたインスタレーションシリーズ〈着陸と着水〉は、彼が絵の成立に最も重要と考えた光、そして水平と垂直をめぐる思考を具現化したものでした。不安定に揺れる日本列島を足場とした半世紀に及ぶ実践は、世界各国の紛争の狭間に位置し、地震が多発する国に暮らす現代のわたしたちに「描くこと/見ること」への新たな視座を提示することでしょう。

  • p4-cat.74_擦れ違い/S字型還元_茨城県近代美術館L
    《擦れ違い/S字型還元》
    2011年
    茨城県近代美術館蔵
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中西夏之略年譜

1935年 東京に生まれる

1958年 東京藝術大学美術学部絵画科(油画専攻)卒業

1959年 連作〈韻〉の制作を開始

1963年 「ハイレッド・センター」結成

1965年 土方巽らとの舞踏での協働が始まる

1968年~ 〈山頂の石蹴り〉〈弓形が触れて〉〈紫・むらさき〉

〈ℓ 字型-左右の停止〉などの絵画連作を制作

1990年 山梨県大月市に作業場を設ける

以降、〈中央の速い白〉〈4ツの始まり〉などの絵画連作を制作

1996年 東京藝術大学美術学部教授就任(2003年退官)

2007年 静岡県伊東市の伊豆高原にアトリエを構える

2016年 没

東京都現代美術館(1997年)、愛知県美術館(2002年)、渋谷区立松濤美術館(2008年)など、全国の美術館で個展開催

  • 09 portrait2007_sadamu

    中西夏之 伊豆アトリエにて
    2007年

    撮影:齋藤さだむ

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作品はすべて©NATSUYUKI NAKANISHI

コラボレーション企画

企画展「中西夏之緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」の開催にあわせて、コラボ企画が進行中!詳細については、順次、当館HPやSNSなどで最新の情報を更新していきます。

 

 

中西夏之  緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置
会期 2026年11月12日(木)~2027年1月17日(日)
休館日

月曜日 ※ただし11月23日(月・祝)、1月11日(月・祝)は開館翌日休館/年末年始

会場 茨城県近代美術館
入場料

一般1,240(1,130)円、満70歳以上620(560)円、高校生980(820)円、小中生550(420)円


※(  )内は20名以上の団体料金

※障害者手帳・指定難病特定医療費受給者証等をご持参の方および付き添いの方(1名)は無料

※11月21日(土)は満70歳以上の方は無料

※12月26日、1月2日を除く土曜日は高校生以下無料

開館時間 午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)
主催 茨城県近代美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
協力 SCAI THE BATHHOUSE
助成 公益財団法人ポーラ美術振興財団
後援 水戸市/朝日新聞水戸総局/茨城新聞社/NHK水戸放送局/産経新聞社水戸支局/東京新聞つくば支局/日本経済新聞社水戸支局/毎日新聞水戸支局/LuckyFM茨城放送

お問い合わせ先

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住所 〒310-0851茨城県水戸市千波町東久保666-1
TEL 029-243-5111
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掲載日 令和8年9月8日