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トップ企画展令和6年度(2024.4.1ー2025.3.31)> 没後100年 中村 彝 展―アトリエから世界へ

没後100年 中村 彝 展―アトリエから世界へ

2024年11月10日(日)~2025年1月13日(月・祝)

タイトル(1)
 

水戸市出身の洋画家・中村彝。その没後100年を記念し、大規模な個展を開催します。37年という短い生涯にもかかわらず、日本近代美術史上、偉大な足跡を残した中村彝の作品は全国各地に所蔵されています。本展では画家の代表作をほぼ網羅し、重要文化財《エロシェンコ氏の像》(1920年、東京国立近代美術館蔵、期間限定展示)をはじめ、前回展(当館ほか、2003~04年)では出品がかなわなかった《巌》(1909年、皇居三の丸尚蔵館蔵)や、約半世紀ぶりに公開される作品など、約120点が一堂に会します。また、彝が多大な影響を受けたオーギュスト・ルノワールの《泉による女》(1914年、大原美術館蔵)が、彝の作品とあわせて展示される貴重な機会となります。当館のみの単独開催となる本展を、どうぞお見逃しなく。

 

 

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見どころ

  •  代表作が勢ぞろい!初心者からマニアまで楽しめます。

重要文化財《エロシェンコ氏の像》(12/22~28はパネル展示)のほか、彝の代表作が勢ぞろいする本展では、巡回がないことからも展示替えは素描など一部の作品のみとなります。当館での展示は35年ぶりとなる《巌》(1909年、皇居三の丸尚蔵館蔵)と《海辺の村(白壁の家)》(1910年、東京国立博物館蔵)。約半世紀ぶりに公開となる《リンゴと瓶のある静物》(1912年頃)や《シスレー「廃屋、フォンテーヌの道」模写》(右図)。公の展覧会では初公開となる《静物》(1919年、クヴェレ美術館蔵)。彝の個展で紹介されるのは初となる《静物》(1911年、愛知県美術館蔵)及び《静物》(1919年、豊田市美術館蔵)等、いずれの作品も見逃せません。

 

中村彝《シスレー「廃屋、フォンテーヌの道」模写》1918年《シスレー「廃屋、フォンテーヌの道」模写》1918年

 

 

  • 彝が半日も絵の前にたたずんだ、ルノワール《泉による女》。

彝が活躍した時代の日本には、未だ西洋の美術作品は殆どありませんでした。それゆえ当時の美術家たちは、海外の書籍や雑誌に掲載された図版(多くの場合はモノクロ)などから構図や筆致、色遣いまでをも学ぶほかなく、その窓口は極めて限られたものでした。しかし西洋美術に関心を持つ実業家などが現われ始め、彼等が購入した美術作品がもたらされて、「泰西名画」のブームが、今まさに興ろうとしていました。岡山県倉敷市の実業家・大原孫三郎が購入したルノワール《泉による女》(右図)は、その最初期の作品です。当時、伊豆大島に滞在していた彝は、作品が東京の展覧会に出品されることを知ると、急ぎ帰京して会場に駆けつけ、作品を熟覧しました。その衝撃ゆえに、その後に描いた作品が「余りに今までと異っている」のに自身でも驚いたといいます。本展では、ルノワール《泉による女》と、影響を受けた彝の作品(《幼児》1915年など)が会場に並ぶほか、彝をはじめ当時の洋画家達が見ることができた、ルノワールやセザンヌなどの海外の画集や書籍も、あわせてご紹介します。

 

ピエール=オーギュスト・ルノワール《泉による女》1914年 公益財団法人大原芸術財団 大原美術館蔵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピエール=オーギュスト・ルノワール

《泉による女》
1914年  公益財団法人大原芸術財団 大原美術館蔵

 

 

  • 肺結核に冒された彝が、なぜ絵を描き続けられたのか?――心通わせた支援者たち

人生の多くを病床に伏していた彝が、身命を賭して制作に専念できたのは、友人達の存在が大きかったことでしょう。彝の絵画制作にかける直向きな思いに共感し、その慈愛に満ちた人柄を愛した友人達は、床に伏せる彝の枕元に集い、親しく語らいました。新潟県柏崎市の洲崎(すのさき)()(ろう)は、その代表的な人物です。遠方に住む彼に送られた書簡は130通を超え、そこには絵画制作における悩みや、私生活についても詳しく綴られており、互いに深く信頼を寄せていたことが分かります。また、資金援助の謝礼として洲崎のもとには彝の作品が多数集まりましたが、そのコレクションをもとに、彝の存命中では唯一となる個展が、柏崎の地で開催されました。そのほか《エロシェンコ氏の像》(1920年、東京国立近代美術館蔵、重要文化財)について、洲崎と、東京における彝の最大の支援者・今村繁三が共に作品を望んだがゆえに彝が葛藤する出来事などもありました。本展では、作品にまつわる彝と支援者たちとのエピソードもご紹介します。

 

中村彝《洲崎義郎の肖像》1919年 新潟県立近代美術館・万代島美術館蔵中村彝《洲崎義郎の肖像》1919年 新潟県立近代美術館・万代島美術館蔵

 

 

没後100年中村彝展

会期 2024年11月10日(日)~2025年1月13日(月・祝)
休館日

月曜日及び年末年始(12月29日~1月1日) ただし1月13日(月・祝)は開館

会場 茨城県近代美術館
入場料

一般1,360(1,240)円/満70 歳以上680(620)円/高校生1,130(980)円/小中生550(420)円


※(  )内は20名以上の団体料金
※冬休みを除く土曜日は高校生以下無料
※障がい者手帳・指定難病特定医療費受給者証等をご持参の方は無料

※11月13日(水)は茨城県民の日によりすべての方が無料
※12月24日(火)[中村彝の命日]は満70 歳以上の方は入場無料

開館時間 午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)
主催 茨城県近代美術館
後援 水戸市/朝日新聞水戸総局/茨城新聞社/NHK水戸放送局/産経新聞社水戸支局/東京新聞水戸支局/日本経済新聞社水戸支局/毎日新聞水戸支局/読売新聞水戸支局/LuckyFM茨城放送

お問い合わせ先

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住所 〒310-0851茨城県水戸市千波町東久保666-1
TEL 029-243-5111
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掲載日 令和6年2月22日 更新日 令和6年11月9日